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お茶会の考察 ~カギを握る5つのカード~

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~概要~ 今回の考察は長編なので流れについて簡単に記します。ちなみに本誌の1067話までの内容を含むのでネタバレには注意してください。 (名探偵コナン95巻File.9 ©︎青山剛昌/小学館) *A パート* 時系列を軸に 【お茶会前】 → 【お茶会直前】 → 【お茶会後】 がどのような状況だったのか、コナンチームと安室の二つの視点で整理していきます。 *B パート* お茶会前後の内容からその間に位置する 【お茶会】 の具体的な内容を考察していきます。特に今回は 【 5 つのカード】 に注目しながら、ブラックボックスとなっているお茶会の内容に迫ります。 所々精密に考察していくところがあるため比較的長い考察になっていますが、最初の A パートは今までの内容を振り返るくらいの感覚で読み進めることをお勧めします。お茶会前後の状況を丁寧に分析していくパートなので、既に十分わかっているという方はAパートを飛ばしてBパートの考察から読む方が手っ取り早くていいかもしれません。 A. お茶会前後でわかっていること 【お茶会前】 ⑴コナン+赤井+工藤夫妻の状況 ⓪迷宮カクテル編 迷宮カクテル編は工藤新一に関する一連の騒ぎが収まった直後の話であり、公安の安室が黒の組織のメンバー「バーボン」として工藤新一を探り始めたことを契機に物語が動き始めます 。工藤新一の情報を探るために新一と恋人関係にある蘭に接近、そして店内で蘭の財布を人知れず盗み取り工藤邸のカギを複製するための型を取ることに成功します。 一方コナンは工藤新一を探りに蘭に近づいてきた安室を早いうちから警戒していました。探偵事務所を出てから店内まで安室の一連の行動を鋭い眼で観察していたコナンなら、安室の目的、すなわち 「安室が蘭の持っている工藤家の鍵の型を取って、鍵を複製した後に工藤家に侵入することで工藤新一の情報を得ようとしていること」 に当然気づいていたことが読み取れますが、それと同時にコナンサイドに刻々と差し迫っている 二つの大ピンチ を危惧していたのではないかなと思います。まずはコナンの心中に浮かび上がったであろう 「 二つのピンチ」 とは何であるかを状況を整理しながら考えてみます。 ①赤井秀一のピンチ(安室と沖矢の対峙) 一つ目に考えられるのが安室と沖矢昴が対峙してしまうというピンチ。読者視点でもなんとなくやばそうな感じが