メアリーがコナンくんを異常なまでに警戒している理由

メアリーの行動遍歴をまとめると、

世良のスマホを使ってコナンくんに自身の存在をアピール (赤女事件、83巻)
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コナンくんの盗聴器を破壊、「(コナンくんは)信用するには程遠い」と発言、“領域外の妹”と名乗る (電話と海と私、83巻)
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宿泊(潜伏?)しているホテルでコナンくんと面会するつもりだったが、蘭と園子もいたので叶わず。この際「本当に信用できるのか?この江戸川コナンという少年…頭は少々切れるようだが」「くれぐれも慎重に事を運べ…」と発言している (ホテルのプール殺人事件、85巻)
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ラーメン屋で世良が(恐らくわざと)“Mary”と刺繍の入ったハンカチを忘れる (死ぬほど美味いラーメン屋2、88巻)
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「江戸川コナンに気を許すな…10年前に会ったあのボウヤとはまるで別人なのだから…」と発言 (霊魂探偵殺害事件、90巻)
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修学旅行で体を元に戻す薬の存在を確信した世良に「薬をせしめろ」と命令 (修学旅行編、95巻)

ご存知の通り、メアリーは10年前のさざ波シリーズの際に幼少期の新一(7)に会っている。10年経ったとしてもまだ17歳、メアリーのような大の大人が警戒するにしては若すぎる。
それだけでなく、工藤新一は有名な高校生探偵であり悪役ではないので、身の潔白は周知の事実である。
なのになぜ、メアリーはこれほどまでにコナンくんを警戒しているのか?

(京極真スタントマン回、96巻)  ©︎青山剛昌/小学館
それは、この“ロンドンで”というのがポイント。

(ロンドン編、71巻)  ©︎青山剛昌/小学館
ロンドン編で渡英する際、パスポートや入国審査の関係でコナンくんは新一に戻る必要があった。
例えば40歳の人が30歳になっても入国審査はパスできるだろうけど、17歳の人が7歳になれば普通はパスできない。
そのことを、メアリー側も想定した。
だから体を元に戻す薬”の存在がちらついたのではないか。
そして薬を求めてコナンくんを探しに、日本に帰国した。

しかしコナンくんが本当に薬を持っているのなら、きっと組織の人間が周りにいるのではないか、とメアリーは思っているのでは。

メアリーが単なる人間不信なのではなく、コナンくんが普通に出国していることから、
→コナンくんが解毒剤を作っている人物と関わりがあるのではないかと推測
→体を小さくした薬は組織が開発したものだから、解毒剤を作った人物も組織の人間?
→警戒
の流れになったのでは。
「10年前のボウヤとはまるで別人」という発言もこのため。10年前は本当に7歳児だったけど、現在は組織との関わりすら感じられるから。

恐らくメアリーは“パパに会いに行った”際、組織の罠に嵌められておぞましい体験をして、結局薬を飲まされて体を縮められ、命からがら逃げ出した。灰原の監禁室からの脱走と同じパターン、両者とも雨に濡れているし。
わざわざ雨に濡れている描写があるのは、灰原のパターンと同じであると連想させるためではないか。

赤井務武は組織のことを「とんでもない奴ら(を敵に回してしまったようだ)」と形容していたので、それほど組織が怖い、ということ。灰原も組織のことを極度に恐れているし、メアリーも同じように感じている可能性がある。

我々読者にとっては灰原が組織から逃げ出していて、今や味方であることは当たり前になっているので忘れがちだが、それを知らないメアリー視点から考えると、警戒するのは当然である。
それに万が一、新一が組織の人間で訳あって江戸川コナンの姿になって一般人に溶け込んでいる、という考えも無いことは無いし。

ただメアリーが、妹夫婦の宮野夫妻が進めていた、宮野厚司が“学会でマッドサイエンティストだと言われた”研究の内容を知っているかどうかは微妙なところ。
宮野夫妻が烏丸グループに勧誘を受けた際、メアリーは「胡散臭い」と言っている。結局宮野夫妻は組織に入ることになったが、その後姉妹はどうやら音信不通のようだし(赤井ファミリー3兄弟と宮野姉妹は、お互いが従兄弟であることを知らない、つまり親戚付き合いをしていない)、研究のことをぼんやりと知っていても、幼児化のことや人を殺す薬であることまでは知らないのかもしれない。



もう1つが、コナンくんが息子の死と関わっているかもしれないから。

(皿の鑑定編、単行本未収録、サンデーFile1038)  ©︎青山剛昌/小学館

どうやらメアリーは息子(赤井)の死が偽装であることを知らない様子。
しかし、赤井の死亡はコナンくんの携帯に付着していた指紋から確認された。


(緋色シリーズ、85巻)  ©︎青山剛昌/小学館
赤井の死をメアリーに知らせたのが誰なのかは分かっていないが(ジェイムズか秀吉のどちらかと思われる)、ベルモットも赤井の死を確認した方法や、確認したのが日本警察とFBIだということを知っている。

ということは、遺体が燃えて指紋以外の本人確認ができなかった赤井の死を知らせた際に、指紋のこともメアリーに伝えているはず。

コナンくんと関わった直後に息子が謎の死を遂げている…
メアリーはコナンくんが息子の死に関わっていると思い、さらに警戒心を強めたのではないでしょうか。

メアリーが出国した方法

ちなみに、メアリーがどうやって英国から出国したのかですが、これは“偽造パスポート”だと思う。

(上記と同じ)  ©︎青山剛昌/小学館
ロンドン編で出国直前、コナンくんは阿笠博士に「偽造パスポート」をせがんでいる。結局見かねた灰原が薬を渡してくれたので無事合法的に出国することができたが(笑)。
このシーンは単なる会話ではなく、メアリーが偽造パスポートで出国したことを暗示しているように思われる。


(緋色シリーズ、85巻)  ©︎青山剛昌/小学館
安室は緋色シリーズで阿笠博士のことを「MI6も顔負けの発明品を作る」と評価している。裏を返せば、MI6も阿笠博士と同じくらいの発明品を作る、という意味。
阿笠博士は偽造パスポートを「作れない」とは言っておらず、あくまで「犯罪だから」ダメだと言っている。阿笠博士が作れるということは、MI6も作れる。
実際偽造パスポートは存在するし、変声機などと比べると難易度は格段に下がると思う(笑)。


(皿の鑑定編、単行本未収録、サンデーFile1038)  ©︎青山剛昌/小学館
現時点でメアリーがMI6(SIS)であることはほぼ確定情報なので、メアリーはMI6で作った偽造パスポートで出国したと見ていいだろう。

アーサー・ヒライのように荷物検査に引っかからないスーツケースに入った、というのならもうお手上げだが(笑)

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