《羽田浩司殺人事件考察》 全体像編


↓こちらが前編です
《羽田浩司殺人事件》ピース編
(サンデーFile1042:98巻File.6)  ©︎青山剛昌/小学館

「《羽田浩司殺人事件考察》 ピース編」で得られたたくさんのピースを繋げてできる一枚の絵(全体像)を自分なりに創ってみました。以下がそのストーリーです。文字ばかりなので小説のようですが、頭の中でイメージしながら楽しんで読んでいただけたら嬉しいです。

【①事件の背景・資産家の財閥争い】
17年前の当時、羽田浩司は将棋の7大タイトルのうちの4つのタイトルをもつ四冠王として名を馳せていた。初志貫徹という信念を宿し、一つの分野を極め続けてるという姿勢は多くの人を魅了しており、羽田浩司フィーバーによって羽田家の資産家としての地位は爆発的に上昇していた。世界の経済的権力を牛耳ろうとしていた烏丸家(黒の組織)はこの状況を悪く思い、羽田家の力が自身よりも小さいうちにこの勢いを抑えることを企む。その具体策が羽田家の力を大きくしている因子「羽田浩司」の暗殺だった。そこで黒の組織は羽田浩司と交流のあるアマンダとの私的な会合が警備が薄くなる絶好のタイミングだと判断し、組織で英才教育を受け頭脳・武術ともに卓越した実力のある幹部がその仕事(ころし)を行うことになる。仕事を託されたその幹部は持ち前の武術と防衛能力と自分の不遇な人生を偶然アマンダに見せるようなトラップをかけることで、浅香という偽名でアマンダのボディーガードになることに成功したのだった。

【②計画実行のXデーへ…】
無事にアマンダのボディーがードとしてアマンダ家に潜入した浅香は、アマンダのボディーガードを全うしながら羽田浩司暗殺の機会を待っていた。しかし意思を持つことを禁じられ、組織の目標を達成するためだけに組織の駒として生きていた浅香にとってアマンダ家での生活はすべてが新鮮だった。アマンダ家では自分が意思をもつ一人の人間として承認されてるし、アマンダ家ではみなが信頼という糸で結ばれているという温かさが感じられた。そんなアマンダ家での生活をしていくにつれ、浅香を支配していた黒い心が少しずつ小さくなっていったのだった。月日がたちアマンダと羽田浩司の私的な交流に同行する機会、すなわち組織の幹部としての計画「羽田浩司暗殺」を実行するチャンスがいくどとなく浅香におとずれるが、浅香は羽田浩司を殺すことをためらってしまい中々計画を実行に移せずにいた。そこで浅香の実力を知っているRUMは何度もチャンスがあるのに羽田浩司暗殺計画を実行しない浅香に不信感をもちはじめる。ついにしびれを切らしたRUMが浅香に次の機会に必ず暗殺するように命じ、RUMもその機会に同行することになる。アマンダ家との生活やアマンダ家との人々とのふれあいの中で薄れかけていた浅香の黒い心が「組織には逆らえない、組織に従わなければならないという使命感」により復活してしまう。

【③羽田浩司とアマンダのお茶会】
RUMから浅香に命令が下ってからまたアマンダと羽田浩司との私的交流に帯同することになり、ついに計画を実行するその日がやってくる。チェスの大会に出るという口実のもとに渡米した羽田浩司とアマンダは同じホテル「Juke Hotel」の各々の部屋に入室。そしてアマンダは羽田浩司の部屋に出向き、アマンダのボディーガードである浅香と羽田浩司のSPである黒田兵衛は部屋の門の前で門番にあたる。アマンダと羽田浩司はルームサービスを頼んでアフタヌーンティーをたしなみながら、お茶会を始める。様々な雑談を交えながらも、現役時代にアメリカの優秀な探偵として活躍していたアマンダは羽田浩司に「最近資産家の親族が何者かによって殺される物騒な出来事が世界各地で起こっているが、どうやらそれは他の追随(勢力を拡大している資産家)を排除しようとしている資産家烏丸家の仕業であるかもしれない。あなたの人気により羽田家は今日本で最も地位が急上昇している資産家のうちの一つだから、あなたが狙われる可能性は十分にある。用心するように」という推理を伝える。

【④浅香がアマンダを暗殺】
お茶会が終わり自分の部屋に戻ったあと、浅香はアマンダにどのような話をしたのか尋ねたところ浅香を信用していたアマンダは「烏丸家の黒い噂や悪事について、羽田浩司に忠告した」と答えてしまう。そこで組織の存在がバレる危険性を悟った浅香は当初予定にはなかったが、アマンダも暗殺することに作戦を変更する。夕食後、部屋に戻り紅茶を飲む際に、浅香はアマンダが飲む紅茶にAPTX4869の成分を混入する。浅香を信用していたアマンダはその紅茶を飲んでしまい、APTX4869の作用により息絶える。

【⑤黒田を出し抜く浅香】
次に羽田浩司暗殺を実行するため、浅香は羽田浩司の部屋の前にいるSP黒田に対して「アマンダが何者かによって殺されたので現場まで来てほしい」と伝えて現場にいくように仕向ける。アマンダの部屋に赴いた黒田は警察官(SP)としてアマンダの事件現場を分析していたところ、浅香に急所を突かれて気絶する。黒田から羽田浩司の部屋のカギを奪いアマンダの部屋の扉をしめる。そして浅香はついに羽田浩司の部屋のカギを開け、中に侵入することに成功する。

【⑥羽田浩司が浅香を射抜く】
だが羽田浩司は狼狽することなく、浅香が自分の部屋のカギをもっている状況を考慮して、浅香の正体や目的を推理して浅香を問い詰める。浅香は無駄な命乞いは無意味、立場をわきまえたほうがいいと発言して、羽田浩司を気絶させようとする。しかし羽田浩司は今までアマンダから聞いていた浅香の性格やその正体だけでなく、浅香の人としての本質を見抜き、自分の御守りの角になぞらえてメッセージを伝えて浅香に自分の御守りを渡す。浅香はアマンダ家で生活していたときにような人の温かみや愛を感じて、膨れ上がっていた黒い心が打ち砕いた結果、組織を裏切って羽田浩司を守ると決心する。ここで浅香は羽田浩司に角をもらったお礼に手鏡を譲る。


【⑦羽田浩司殺害の偽造工作】
浅香は組織を裏切ることを決心。羽田浩司を守りかつRUMを出し抜くために、羽田浩司を一度暴行により殺害したようにみせかけることに決める。そこで羽田浩司の腕や顔に多少殴ったあとをつけて、倒れているように見せる。

【⑧浅香vs黒田】
一方アマンダの部屋で気絶して倒れていた黒田は目を覚まし、羽田浩司の身に危険が迫っていることを悟り急いで羽田浩司のいる部屋に戻る。予備のカギで部屋の扉を開けたときに暴行され倒れている羽田浩司を発見し、衝撃を受ける。浅香は黒田に状況を説明しようとしかけるが、RUMに見られて裏切りを悟られる可能性があったため、浅香は部屋から一度逃亡する。黒田は羽田浩司の生死を確認せずに、逃亡した浅香を追いかける。

【⑨RUMが羽田浩司を殺害】
浅香に不信感を抱いていたRUMは一連の流れを影で監視していた。そして黒田と浅香が部屋の外に出ていった隙に、RUMが羽田浩司の部屋へ向かう。このタイミングで羽田浩司は起きあがり扉を閉める。ここでRUMは羽田浩司が生きていたことに気づく。羽田浩司もこちらに向かってくる人物がいたことに気づき、浅香の裏切りがバレてしまったと悟る。そこで自分が殺されることを悟った羽田浩司は水道の蛇口を流し、水中で手鏡の「PTON以外の文字」をはさみで切りとりダイイングメッセージを残す。RUMは浅香が羽田浩司のドアの前で待つ合成動画をのぞき窓のかざし、羽田浩司の部屋をノックする(87巻FILE.5のトリックを参照)。羽田浩司は浅香が無事戻ってきたと思い扉を開けるが、立っていた人物はRUMであり抵抗しようとするが、部屋の中に入られてしまう。そこで羽田浩司は机の上にあったコップなどの食器をRUMになげつける(これは抵抗しているように見せながらも手鏡のダイイングメッセージを隠すという狙いがある)もよけられる。そして羽田浩司の抵抗虚しくRUMによって気絶させられる。RUMによって羽田浩司はAPTX4869を飲まされて吐血し死亡する。

【⑩RUMvs浅香】
黒田を振り切って現場に再び戻ってきた浅香は羽田浩司の部屋をノックし浅香だと名乗るとドアが開くが、そこには吐血して倒れている羽田浩司の姿があり、予想外の出来事で衝撃を受ける。RUMは「馬鹿なやつ」と吐き捨て、裏切った浅香の右目を攻撃する。浅香は右目に致命傷を追うが、持ち前の能力でなんとかホテルから逃走する。浅香は組織を裏切る道を選んだことになったが、組織からも各国の警察からも追われるという絶対的に不利な立場に…(協力者の影が…)





ここまで読んだいただきありがとうございました!。羽田浩司殺人事件は現時点で存在するコナンワールドでトップクラスの難問だと思います。今回挙げたストーリーは僕が読み解いたピース僕なりにつないで作った一つの絵なので不正確な部分や改良すべき部分もあったと思いますが、読んでいただいている方たちが少しでも面白かった楽しかったと思っていただけていたらうれしいです。また、考察をしている方にも何かの参考・道標・比較対象としてお役に立てていたら幸いです。(来週の水曜日(8/5)からは100巻に収録される新章がスタートということで期待が高まります。RUM編もクライマックスに近づいてきていると思いますが、RUM編完結の最後まで楽しんで考察していけたならと思っています)次回は今まで「ふせったー」であげていた黒田や脇田に関する考察のまとめを少しずつブログの方でも挙げていこうかなと思っています。

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