《脇田兼則考察》まとめ


(名探偵コナン97巻file2 ©︎青山剛昌/小学館)

⑴基本プロフィール
 ①性別・年齢
 ②性格
 ③特徴 
 ④能力値
⑵羽田事件との関係
 ①羽田事件への興味
 ②羽田事件の捜査資料を知っている人物
⑶「万馬券事件」の裏ミステリー
 ①小五郎の馬券
 ②馬券と時系列
 ③脇田の推理
⑷脇田の目的・正体
 ①小五郎への興味
 ②立場=悪=黒
 ③脇田=RUM?
 ④安室との関係
 ⑤脇田の正体
⑴基本プロフィール
①性別・年齢
男性・56歳
②性格 
・江戸っ子
・ミステリー好きで好奇心旺盛
③特徴
・毛利小五郎探偵事務所の近くにある「いろは寿司」の板前
左目に眼帯をしている
・毛利小五郎の弟子である
④能力値
・推理力が高い
化学的知識に精通している

⑵羽田事件との関係
①羽田事件への興味
脇田は若狭留美という名前に対して「こいつはトンチが利いてるなあ」と発言しています。よって脇田は羽田事件で羽田浩司が手鏡に残したメッセージ「ASACA RUM」を解読していることになります。さらに1057話では脇田がコナンに対して「あるべきものがなくなっていると、例えば将棋の駒とか」と発言しており、これは羽田浩司の角のことを示唆しているとみて間違いないないでしょう。この二点から、脇田は「羽田事件に関心があること+羽田事件の事件現場の情報を知っていること」ことが読み取れます。
(まとめ)
脇田は羽田事件に関心があり、羽田事件の事件現場の情報を知っている

②羽田事件の捜査資料を知っている人物
では羽田事件の事件現場に関する詳細な情報を知っている人物はどのような人物が該当するのでしょうか。
1⃣一つ目は黒の組織です。組織は波戸の曲「ASACA」に反応してベルモットを派遣しています。よって当然組織も羽田浩司が残したダイイングメッセージには気づいているため、何らかのルートにより捜査資料を入手していると考えられます。
2⃣二つ目は公安です。これは「不気味な牧場回」1052話で安室が公安の研修時代に見た捜査資料を回想していることからすぐにわかります。
3⃣三つ目はFBIです。FBIが資料を閲覧している明確な描写はありません。しかし羽田事件はアメリカで起こったものであり、著名人が殺されるという大事件でした。さらに赤井秀一が羽田浩司のダイイングメッセージを確認する際にわざわざジョディに自分のタブレットケースを持ってこさせています。ネット記事で確認するならスマホで見ればいいのに、わざわざ自分のタブレットで確認しようとしたということは、自分のタブレットに羽田事件の資料が保存されていたのだと考えられます。そしてその情報源はFBIだったのではないでしょうか。羽田事件を調べるために赤井はFBIに入ろうとしていたということは、公安だけでなくFBIも羽田事件の捜査を担当していたとみて間違いないでしょう。
4⃣四つ目は赤井務武です。赤井務武は私的に羽田夫妻に頼まれて渡米し羽田事件を調査しているため、当然赤井務武も現場の状況を詳細に知ることができたと思います。
(まとめ)
羽田事件の詳細な情報を知っているのは黒の組織・公安・FBI・赤井務武である。よって脇田はこのいずれかに当てはまる。

【補足:脇田の行動】
脇田の行動について箇条書きで整理しています。
①毛利小五郎への興味
・脇田は寿司屋に訪れた毛利小五郎に推理対決を挑むが、敗れて小五郎に弟子入り
・コナン、安室、小五郎と長野旅行に同行して事件を解く
・小五郎の事務所にきて、沖野ヨーコに頼まれた事件をコナンとともに解く
②工藤新一を調査
・工藤新一が事件を解決したというSNSの情報に対して「新一?」と反応している
・工藤新一の隣の阿笠邸に訪れて、工藤新一の情報を尋ねる。しかし何も得られず撤退
③安室とのやり取り
・安室の誘導により、脇田は長野旅行に参加
・安室と脇田はお互いを知っているような反応を見せる
・安室に裏切り者ではないかと牽制している
④コナンへの興味
・雪山の山荘事件で脇田はコナンと安室との仲の良さに反応して、コナンの推理力に興味を示し始める
・屋根裏の密室事件でコナンに推理を促し実力を測っている
・同じ事件でコナンに将棋の駒について尋ね、反応を見ている

⑶「万馬券事件」の裏ミステリー
脇田は「万馬券事件」で初登場を果たしました。この事件は一見すると「電車で万馬券を盗んだ人物を寿司屋にきた容疑者三人の中から突き止める推理ショーを脇田と小五郎(コナン)が行い、脇田のミスを小五郎(コナン)がカバーして犯人を見つけ出した」という普通のストーリーに見えます。しかしよく読み直してみると、この「万馬券を盗んだ人物は誰か」という表のミステリーとは別に裏のミステリーが隠されていることが読み解けます。

①小五郎の万馬券
そもそも今回小五郎が寿司屋に出向こうとしたきっかけは「万馬券を手にしたから」ということでしたが、小五郎は他の馬券は千円ずつ買っていたと自分で話していたため当たっていた万馬券は自分で購入したものではないことがわかります。つまりコナンが指摘しているように「万馬券は小五郎が財布をおとしたときに偶然拾った他人の馬券」だったという可能性が高くなります。しかし今回のストーリーでは持ち主は現れず結局交番に届ける形になりました。これは少し不可解です。金を稼ぐために馬券を買っている人物が100万円の価値があるかもしれない馬券を人とぶつかったくらいで普通見落とすでしょうか
(まとめ)
小五郎が偶然手にした万馬券は他人の馬券である

②事件と万馬券の時系列
さらにここで事件の時系列を追ってみるとコナンが「競馬中継が終わったのは50分前で、小五郎は最後のレース結果しか見てないから1時間前は場外馬券場にいたんじゃないの」と発言してることから、場外馬券場と小五郎探偵事務所はそこまで離れておらず小五郎は一時間前馬券場にいたと考えられます。ここで小五郎が拾った馬券と盗まれた馬券のチケットを見るといずれも第七レースであったことがわかるので、「一時間前=被害にあった時刻=第七レースの結果がでた時刻=小五郎の拾った万馬券の結果がでた時刻」であることがわかります。ここで小五郎が万馬券を拾った場面がいつかを確認すると「馬券を買い終わって自販機でたばこを買おうとしていた時」とあるため小五郎が場外馬券場にいた一時間前よりも後に万馬券を拾ったことになります。これは非常に違和感があります。なぜなら小五郎にぶつかった人物はレースの結果がでて持っていた馬券が万馬券であるとしっていた(可能性が高い)のにも関わらず、小五郎とぶつかって馬券を見落としています。普通なら今回の犯人のようになんとしてでもそれを取り返そうとしますよね。このように時系列を考えると作為的な何かがあるような気がしてきますよね。
(まとめ)
小五郎の馬券の持ち主は「自分の馬券=万馬券」であることを知っていた可能性が高いのに、自分の馬券を見落としてる

③脇田の推理
そして最後に注目するのが「脇田の推理」です。脇田は小五郎の馬券を見ずに、小五郎がパイレーツスピリットに一万円をかけたと推理しました。その根拠は「小五郎が大の競馬ずき+寿司屋に来るのは馬券を当てた時+特上を注文+万馬券はパイレーツスピリットのみとラジオで言っていた」というものでした。一見筋が通っているように見えますが、最後の要素は間違いであることがわかります。実際今回の事件で盗まれた馬券は「5000円をかけて、一着と二着を同時にあてた」万馬券であり、万馬券になりうる券は「10000円をかけて一着だけをあてた」万馬券以外にもあったことがわかります。よって脇田の推理は非常にバイアスがかかったものであり、元々このことを知っていないと推理できないことだったということになります。つまり小五郎が拾った万馬券は脇田が用意したものであり、小五郎の財布に仕込んだものだったということが見えてきます。この章で小五郎の財布に万馬券を入れたのは脇田だったことがわかったところで、脇田に注目しながらもう一度今回のシリーズを読み解いていきます(次のセクション)。
(まとめ)
小五郎が手にした万馬券は脇田が小五郎の財布に仕込んだものだった


⑷脇田の目的・正体
①脇田の立場=悪側=黒
事件の容疑者の一人に寿司屋の常連であるという人がいました。その常連が脇田を知らなかったということは脇田はつい最近寿司屋の板前になったばかりということがわかります。また脇田は「前の店員は交通事故で大けがして入院している」と話しています。しかしこれは事故だったのでしょうか?脇田は小五郎を探るために寿司屋にきて小五郎がくる条件を知ると、すぐに万馬券を小五郎に仕込んで小五郎が寿司屋に来るように誘導しています。つまり脇田は目的を果たすために行動するのが非常に速いということがわかります。よって元の板前を退場させたという行動は小五郎を探るという目的のために脇田がすぐに起こしたことだと推理できます。つまり脇田は自分のターゲットを探るために、一般人に大けがを負わせるような目的のためなら手段を選ばない方法をとっていることがわかります(小五郎に万馬券を仕込むんでいることも同様です)。この手法はまさしく組織のやり方なので脇田の立場は悪側=黒であることが読み取れます。
(まとめ)
脇田の行動には目的のためなら手段を選ばないという組織のやり方が垣間見える。よって脇田の立場(色)は悪側=黒である

②毛利小五郎への興味
まず脇田は事前に大将に小五郎がいつ寿司屋に来るか聞いていて作為的にその状況を作っていることから、脇田の目的は小五郎に接触することだったことがわかります。実際、脇田は小五郎を眠りの小五郎と呼んだり、事件現場に同行してもらうようお願いしています。さらに事件がおこると推理の勝負を申し出ます。そしてここで最も注目すべき点は脇田が小五郎の推理力を試すためにわざと推理ミスをしているという点です。脇田の知識量なら当然大根にも血を分解する酵素が入っていたことは知っていたでしょうし、TV番組の内容に違和感をもつというあまり客観性のない推理をしています。脇田の推理力ならいつもの小五郎のようなこんな推理はしないと思うので、わざとミスをしたと判断していいでしょう。実際、小五郎(コナン)が「ちょっと待った!」と脇田の推理に割り込もうとしているシーンの脇田の表情は他客とは異なる意味深な表情をしています。しまいには小五郎の弟子にしてくれと志願しています。これらの点を総合すると、脇田は手段を選ばずに小五郎に接近し小五郎を探ろうとしていることは明らかです。ではなぜ脇田は小五郎に接近するために手段を選ばず行動しているのでしょうか。
(まとめ)
脇田は手段を選ばず小五郎に接近して弟子を志願するほど小五郎に興味がある。また小五郎のことを事前に調べたうえで、小五郎の推理力を試している。

③脇田=RUM?
まずは脇田が強引な手段を用いてでも小五郎に接近し探りを入れている理由を考えたいと思います。今までの推理の結論⑷①・⑷②・⑵①のすべての要素、すなわち脇田は組織の人間でありかつ羽田事件に関心を持っていて毛利小五郎を探っているということを考慮すると、小五郎を探る理由はやはり「羽田事件に関係した霊魂探偵殺人事件を解決したしたことで小五郎に組織のことを探っている疑いがかかったから」という可能性が非常に高いと思います。さらに脇田の左目は義眼である可能性があることを考えると、脇田がRUMなのではないかという気がしてきます。しかし脇田とRUMには決定的な違いがあります。それは行動パターンです。まずRUMについてですが灰原の発言から1⃣RUMの人物像は十人十色・2⃣影武者がいる可能性さえあるといわれていて、唯一確定している情報は片方の目が義眼であるということだけ・3⃣波戸が出した曲「ASACA」の調査メアリーの暗殺など羽田事件に関する火消しを部下のベルモットに委託している・4⃣純黒の悪夢でキュラソーにしゃべりかけるRUMは顔を出さず声も変声器によって変えている。これらの要素からRUMは基本的には表に出ず裏で自分の駒である部下を動かしていくことで活動を進めており、組織の人間にさえも自分の情報を隠そうとするほど慎重なタイプであることがわかります。一方で脇田は1⃣左目の眼帯の中を見たいか?とわざと聞いて小五郎の反応を見ている・2⃣小五郎にわざとぶつかって、財布に万馬券を仕込む・3⃣工藤新一のことを探りに自ら隣の阿笠邸に出向いている・4⃣安室に「自分を謀る裏切り者がわかる…」と発言して牽制している・5⃣RUMからのメールで書かれていたtime is moneyという格言のアナグラムを偽名にしている・6⃣コナンに「あるべきものがないと気になりやすからねぇ、例えば将棋の駒とか」と発言して牽制している。これらの要素から脇田はリスクを多少冒してでも表で大胆に行動するタイプであることがわかります。よってこれらの行動パターン違いから脇田はRUMは別人であることが推理できます。さらにいえば脇田はあたかも自分がRUMであるかのよににおわせており、小五郎やコナンや安室に牽制をして反応を見ているためRUMを探っている人物をあぶりだそうとしているおとり=RUMの影武者なのではないでしょうか。
(まとめ)
脇田とRUMは行動パターンが対照的で異なる。よって脇田はRUMではなく、RUMを探るものをあぶりだそうとしているRUMの影武者である。

④安室との関係
「雪山の山荘事件」の最初の場面で、安室は脇田が旅行に参加できるように誘導しておりその後安室と脇田は意味深な表情でお互いを見てあいさつをしています。これより安室と脇田は初対面ではなく、何らかの関係があることがわかります。またそのあとの列車内で脇田が安室に「自分を謀る裏切り者がわかるじゃないですか、鮮度の落ちた魚を高値で売りつける仲卸とかね」といって牽制しています。よって脇田は安室と同じグループ(A)に所属しているという認識があるが、本質は別のグループ(B)なのではないかと思っていることになります。また鮮度の落ちた魚を高値で売り付ける仲卸という比喩は一般的に説明すれば「良い状態ではなくなった何かをあたかも価値が高いものだと主張して売りつけてくる媒介人」ということになります。この表現について安室の状況に当てはまることといえば、工藤新一の情報を届ける情報屋という立場くらいです。よって脇田は「工藤新一の新鮮味のないありふれた情報をあたかも意味があるものとして渡してきた情報屋」ということを暗示した発言を安室にしたことになります。⑷①でも考察したように、脇田は安室と同じグループである黒の組織に所属しているという認識があることになり、脇田は安室に対して「どこかの組織(B)から黒の組織(A)へのスパイなのではないか?」と発言したということだと読み解けます。一方で安室は脇田に対してコナンの実力を否定してコナンを守ろうとしています。よって安室はコナンの実力を伝えている黒田とは対照的に脇田のことを警戒していることがわかります。よって安室・黒田の公安チームは脇田のことを警戒しており、脇田は安室のNOCを疑っているというという対照的な構図になっていることが見て取れます。
(まとめ)
脇田は安室に対してNOCではないのかと疑いをもっており、安室は脇田を警戒しているという構図になっており、お互いを疑い合う関係になっている

⑤脇田の正体
☆大事について☆
大事には安室と黒田が高明を協力者にすることが含まれているという推理を前提としています。詳しくは↓⑸
《黒田兵衛考察》まとめ
同じく雪山の山荘編のラストでは安室と黒田の公安チームに「大事」の件でおそらく参加したであろう高明が不敵な笑みを浮かべ「時はかねなりといいますしね…」と発言しており、高明は脇田兼則の名前を黒田から聞いていることがわかります。安室と黒田が警戒している脇田の名前をわざわざ高明に教えたということは、そもそも大事に高明を協力者にすることが含まれていることから、今回の大事の目的は脇田兼則捕獲である可能性が高いことがわかります。さらに公安チームにとってわざわざ高明を協力者にすることが必要だったということは、脇田捕獲作戦で高明の何らかの要素が関わってくるということは確かです。高明と組織に属している脇田との接点を考えると、それは景光=「スコッチ」であることが見えてきます。つまり安室と黒田は脇田をスコッチと何らかの関係がある人物だと捉えていることになります。公安チームがスコッチとの関連を考える要素は次の一点、「スコッチのNOCを暴いた内通者(スパイ)」という要素ではないでしょうか。なぜスコッチがNOCだとバレたのかはまだ明らかになってませんが、赤井がさすがだなと賞賛するほほど非常に優秀なスコッチがミスをして公安であることを知られてしまったというのはあまり考えられないためバレた理由は外部からのリーク、すなわち内通者によるものだったという線が濃厚だと思います。またバーボンのNOCだけはバレずにスコッチのNOCだけがバレたのかが違和感があります。この二人の違いはバーボンは警察庁公安部の潜入捜査官・スコッチは警視庁公安部の潜入捜査官という点であることを考慮すると、公安チームはスコッチのNOCがバレた原因を究明して、それが警視庁公安部にいる内通者の仕業であることを突き止めたのではないかと考えています。そしてその人物が脇田兼則と名乗る人物である可能性が高いことが判明した、つまり脇田は黒の組織から警視庁公安部へ潜入している組織の内通者(スパイ)だったのではないでしょうか?
(まとめ)
脇田=RUMの影武者=警視庁公安部への内通者


ここまで見ていただいてありがとうございました。今後の展開予想ですが、大事において「安室vs脇田」という構図が出てくると思います。そしてこれは「警察庁公安部から黒の組織へのスパイvs黒の組織から警視庁公安部へのスパイ」というダブルフェイス対決になるのではないかと思っています。また安室は脇田をRUMであると思いこんでいて、脇田を捕獲してRUMを捕らえたと思ったが実は脇田はRUMの影武者であり、安室のNOCがバレれるという展開になるのではないかと思ってます(そうなるとベルモットとボスの関係も明らかに…)

コメント

おすすめの投稿

メアリーがコナンくんを異常なまでに警戒している理由

お茶会の考察 ~カギを握る5つのカード~

赤井務武とジンは接点がある?赤井安室の「ホー」の意味