“ヘルエンジェル”の意味とは?
蘭がベルモットに“エンジェル”と呼ばれている理由
ご存知の通りだが、NY編で通り魔に扮したベルモットが手すりが壊れて転落するところだったのを助けて以来、ベルモットは蘭のことを一方的に“エンジェル”と呼んでいる。
ベルモット(シャロン)は蘭と初対面の時、蘭に
「有名人と会えるなんて、神様に感謝しなきゃ」と言われたのを
「この世に神様なんているのかしら?私にエンジェルは微笑みかけてはくれなかった、一度もね」と一蹴している。その後も
「感謝するのは鏡でも神でもない、この子(蘭)にでしょ」と言っているので、ベルモットはおそらく無神論者。
(これは個人的な意見だが、無神論者と無宗教は違う。無宗教でもお参りに行ったり初詣に行ったりする人は多いが、無神論者はそのような行為は一切しないし、例えば幸運続きでも神に感謝したりしない。)
そんなベルモットが言動を翻したのは、蘭に助けられてから。
ベルモットは蘭に発砲しようとしていたのに、そんなベルモットを蘭は無条件で助ける。
ベルモット:「なぜだ?どうして俺を助けた?いったいどーして!?」
新一:「わけなんているのかよ?人が人を殺す動機なんて知ったこっちゃねーが、人が人を助ける理由に論理的な思考は存在しねーだろ?」
これ以来、ベルモットは蘭のことを“エンジェル”と呼んだり、新一=コナンくんのことを“私の胸を貫いた彼=シルバーブレット”、2人を“宝物”と呼び始める。
二元ミステリーで蘭が灰原を助けたときも、ベルモットは「エンジェル!」と叫んでいる。
✔︎転落死するはずだったベルモット(通り魔)を助けたこと
✔︎殺されるはずだった灰原を身を呈して守ったこと
に共通する点は、本来死ぬはずだった人を助けている、ということ。また蘭の人助けに打算はなく、新一のセリフ通り無条件で助けている。
蘭の“エンジェル”と宮野エレーナのヘル“エンジェル”の共通点
宮野エレーナは、長らく描かれていなかったがようやく顔を見せた迷宮カクテル編では、とても“ヘルエンジェル”のようには見えない普通の人だった。人見知りではあるものの、コナンくんにも「正真正銘のエンジェルだ」と称されていた。
エレーナは“夢のような薬”を開発していたが、“薬を完成させるためにお別れしなきゃいけない”とテープに残し、研究所の火事で事故死した(ことになっている?)。
“夢のような薬”を開発していたエレーナは当時“エンジェル”であったが、その開発を投げ出していなくなってしまったから“ヘルエンジェル”、地獄に堕ちた天使と呼ばれるようになったのでは。
薬は“死者を蘇らせる秘薬”のような薬であると灰原が示唆している(その後すぐに「そんな夢のような薬じゃない」と言っているが)。また実際に若返ることができるのであれば、若返ること自体が死から遠ざかっている。
*新一と灰原が服用したのは灰原版APTXであり、宮野夫妻のAPTXとは違う。詳しくは→
APTX4869の伏線まとめ、幼児化の条件やシルバーブレットと呼ぶ理由の考察 《追記:1回》
*新一と灰原が服用したのは灰原版APTXであり、宮野夫妻のAPTXとは違う。詳しくは→
APTX4869の伏線まとめ、幼児化の条件やシルバーブレットと呼ぶ理由の考察 《追記:1回》
つまり、蘭とエレーナの2人は死ぬ運命にあった人を助けている、という共通点がある。
蘭は通り魔ベルモットや灰原を無条件に、自力で助けている。エレーナは薬で人を若返らせること(or蘇らせること)で死ぬ運命から逃れさせている。これが、エンジェルの意味なのでは。
だからその役割を放棄したエレーナは組織内で“ヘルエンジェル”、地獄に堕ちた天使と呼ばれるようになった。
このページは暗示の役割を果たしている
(NY編、35巻) ©︎青山剛昌/小学館
「他の男が天使役をやるなんて耐えられない」→薬を作ることを投げ出していなくなってしまったエレーナを恨んでいる(推測)、その後薬の開発を続けた灰原も殺したいほど恨んでいる
「天使を殺したのは彼自身」→エレーナが“エンジェル”であることをやめた、“エンジェル”はベルモットに一度も微笑みかけてくれなかった
「(略) 私を助けてくれたんだもの…おかげで想いが遂げられたわ」→あの時通り魔ベルモットを助けたから灰原を殺すチャンスができた(死んだら元も子もないので)
「おかげで想いが遂げられた」
→蘭がローズを助けたばかりにヒースが殺されてしまったことを蘭は後悔している
→ベルモットにもらったハンカチを落としてたまたま通り魔に扮したベルモットのいた廃ビルに引っかからなければベルモットにも遭遇せず、ベルモットが蘭に助けられることもなかった
→蘭がベルモットを助けたばかりに、灰原はベルモットに命を狙われる羽目になった(※通り魔=ベルモットであると蘭は知らない、二元ミステリーも誘拐事件だと思っている)
(あれ?同じこと2回言った?( ˊᵕˋ ;) )
(34巻) ©︎青山剛昌/小学館
✔︎ベルモットにとっては、“神様”はずっといなかったし今でもいないが、“エンジェル”は現れた、ということ。
神様は運命を“決める”が、エンジェルは運命を“変える”。だからベルモットはずっと自分の運命を悲観していたが、蘭に出会ったことで運命は変えることができる、という価値観に変わったのでは?コナンくんをシルバーブレットと呼び、期待しているのもこれが理由?
ベルモットの考察に続く(そのうち...笑)
コメント
コメントを投稿